秋のヘッドフォン祭2017感想

11/3ヘッドホン祭り感想

オーディオ遍歴

大学生の頃は音楽を聴くのにはiPod nanoを使っていて特にそれで不自由を感じていなかった。
社会人になって、テレビを見るためにPS3Torneを買って便利に使っていたのだけど、あるときWalkmanにテレビ番組を転送できる機能がアップデートで提供される。
画面サイズは小さめだけれど、NW-A867を確か4万か5万か位で買った。
外でテレビを見ることを主目的に買ったNW-A867だけど、iPod nanoとの音質の差に驚く。
以来、オーディオ・ヴィジュアル系の製品はSONYを中心に揃えていくことに決めた。
2017年の初めの頃、10万円分くらい持っていた株が3倍に値上がりして20万円ほど利益が出たので、前から買おうかどうか迷っていたSONYのWM-1AとXBA-N3を買う。
かなり満足度が高く、WM-1Aに合うイヤホン・ヘッドホンを探しに、1ヶ月に一度くらいはeイヤホン秋葉原店に行く生活に。
でも、XBA-N3以外に高いイヤホン・ヘッドホンは気に入るものがなく、何かほしいのだけどまだ買えていないという状況。



こんな状況で、11/3(金)のヘッドホン祭りに行ってきました。行って良かったので感想を残しておきたい。

eイヤホン・ヨドバシカメラではだめなのか?

ヘッドホン祭りは、いろんなメーカーのイヤホン・ヘッドホンを試聴できるイベント。
でも、試聴するだけならeイヤホンやヨドバシカメラでも試聴できる機種はたくさんある訳で、それでもわざわざヘッドホン祭りに行く理由はあるのだろうか。
春のヘッドホン祭りに行かなかったのは、ここに引っかかっていたから。ヨドバシでいいじゃんと。
実際にヘッドホン祭りに行って感じたメリットは以下の3点。

座って聴ける

eイヤホン、ヨドバシでは当然試聴するには立ったまま聴かないといけない。
盗難防止用の固定ケーブルが短いことがちょいちょいあって、無理な体勢で試聴しないといけないこともしばしば。
ヨドバシ秋葉店のSTAXコーナーは椅子も設置されていたけれども、椅子があるのは少数派。
30歳過ぎると長時間立って試聴するのがちょっとつらくなってきた。

一方のヘッドホン祭りは、試聴用に椅子が用意されていて、基本的に座ったまま試聴できる。
12時くらいに会場について、5時くらいまでいたけど、疲労感はかなり少なかった。

市販前のイヤホン・ヘッドホンが聴ける

ゼンハイザーのHD660S、IE800S、finalのD8000、audio-technicaのADX5000なんかが市販前のイヤホン。
これを試聴できるのは、ヘッドホン祭りしかない。
いま私はイヤホンだけでヘッドホンを持っておらずHD660S買おうかかなり迷っていたので試聴できる機会に飛びついた格好。

イヤホン・ヘッドホンの状態が良い

eイヤホン・ヨドバシカメラのイヤホン・ヘッドホンは試聴できる環境にしてくださっているのは本当にありがたいのだけど、
ずーと設置してあって、たぶんそれほど頻繁には状態のチェックをしておらず、状態の悪いものがちらほらあったりする。
埃をかぶっているような、音に関係ない部分なら我慢もするし、なんなら勝手に掃除してもいいのだけど、
コネクタの接触が悪くなっているなどの音に関連する部分での劣化もあったりして不満もある。

その点、ヘッドホン祭りはこの日のためにメーカーが用意してきたものなので製品の状態は非常に良い。
ただ、試聴環境という点でヘッドホン祭りの方が悪い点もあった。

ヘッドホン祭りの悪い点

ヘッドホン祭りを製品を試聴する機会と捉える人と、同好の人との交流の場、あるいはメーカーの人に自分の要望を伝える場と捉える人がいるように感じた。
製品志向の人とコミュニケーション志向の人ということもできるかもしれない。
私は単に製品の試聴の機会と捉えていたので、コミュニケーション志向の人を煩わしく感じることがあった。
友人とおしゃべりしている人は、ロビーみたいなところで話をしていたので、どっかの大学のオーディオサークルかな?そんなのあるんだ?くらいで、煩わしいとまでは思わなかったが、メーカーに要望を伝えたい系の人には煩わしい人がいた。
SONYの人に対して、音楽管理ソフトがMediagoになったり、別のになったり変わりすぎでは?ということを伝えていて、その内容自体は私も同じように感じているので同感なのだが、その話が長くて、声が大きいことには辟易した。
試聴していた楽曲がボレロで、曲の最初の部分は非常に音量が小さいので、密閉型のヘッドホンをしていても外の音が聞こえてきて、試聴どころではなかった。
密閉型ヘッドホンでも、ほぼ無音状態では外の音が聞こえるという発見ができたという点ではメリットといえるかもしれないが、試聴目的の人間としてはやはりもう少し静かにしてほしいというのはある。


そんな、不満な点もあるにはあるけれども、全体的にはかなり満足度の高いイベントで、これからもちょいちょい参加してみようかと思う。

以下、個別のメーカーの感想をいくつか。

ゼンハイザー

今回のヘッドホン祭りで一躍、私の好きなオーディオメーカーランキングでトップ争いをするようになった。
1位はSONYで、WM-1Aを買ったのもソニーストアでWM-1AとMDR-Z1Rを聞いて感動したからなのだけども、バランス端子が4.4mmでまだ普及するかどうかわからない端子という不安要素も残した製品であった。
それが、最近ゼンハイザーが4.4mm端子を搭載したヘッドホンアンプを作っていたり、イヤホン・ヘッドホンに4.4mmケーブルを付属させたりで、4.4mm推しになってきていることをニュースでは知っていて、WM-1Aユーザーとしてはゼンハイザーにも一方的な親近感?仲間感?のようなものを持つようにはなっていたのだが、実際の製品を試聴して高感度が高騰している。

HD660S

これは必ず買う、なんなら発売日に予約して買うリストに入った。気に入った。
6万円くらいのヘッドホンなら、SONYにMDR-Z7があるのだけど、バランスケーブルが別売りでしかもそれがキンバーケーブルの高いやつしかないという点が不満点。
その点HD660Sは4.4mmケーブルが付属するようでその点も良い。リーズナブルなバランスケーブルが発売されたらZ7も買えばいい。
HD660Sは開放、Z7は密閉でキャラクターの違いがあるので両方あっても良さそう。
頭へのフィット感も良い。ゼンハイザーのHD800はイヤーカップのサイズが大きすぎるのか、フィット感が良くないように感じれれる。HD660Sは私にはちょうど良いサイズでそれも良かった。

IE800S

欲しいけど、まだ買えない。今使っているイヤホンが、XBA-N3で4万円くらい。10万円を超えるイヤホンが欲しいと思っているのだけど、IE800Sは欲しいリストには入った。
でもまだ買わない。まずHD660Sを買って冬の間はこっちを使って、暖かくなった頃にはイヤホンを買いたい。
音はいいのだけど、イヤホンのフィット感はXBA-N3の方が上に思えた。重さはIE800Sのほうが軽いと思うのだけど、ちょっとはずれ易い気がした。イヤーピースの影響もあるだろうからここは発売後に確認したい。
SHURE掛けが苦手なので、SHURE掛けじゃない点も良い点。ANDROMEDAも欲しいけど、SHURE掛けが苦手なのと塗装が禿げやすいという情報があって購入に踏み切れないでいる。

IE80S

買わない。良いイヤホンだけれども、XBA-N3を持っている現状で追加するか?といわれればNG。その金があるならハイレゾ音源やCD買ったりするのに使いたい。

final

D8000という40万円ほどするヘッドホンの試聴を予約。
個別に部屋が用意されていて、15分間の試聴時間が与えられた。
MacbookAirとCHORDのDAVEが置いてあってその中の音源の試聴と、ケーブルを交換してもらって自分のWalkmanの音源も試聴した。
良いヘッドホンではあるのだけど、さすがに40万と言われると躊躇する。んー、でも欲しい。
欲しくならないように、悪かったところ探しをすると、頭へのフィット感はそれほど良くなかった。どうも、頭頂と両耳の3点で支えるような構造になっているように感じた。
他社のフィット感の良いヘッドホンはヘッドバンド全体で重さを支えているように思う。もしかしたら、頭の大きさによるのかもしれないが私にはそれほどフィットしなかった。
宝くじを買うか、株を買うかして経済的な余裕が出たら欲しいヘッドホンではある。あーでも、Z1Rも欲しい。

audio-technica

ADX5000の試聴を予約。こちらは、他の製品の試聴もやっている部屋での試聴。
据え置きのCDプレイヤーとの接続で自分の音源は聞けなかった。聴きたいとも言わなかったので、希望すれば聞けるのかも。
CDを持ち込めばたぶん聞かせてくれるはず。次にヘッドホン祭りに行くときは、お気に入りのCDを持ち込んでもいいかもしれない。
ADX5000の感想としては、音はよさそうだけど試聴環境が悪すぎで正当に評価できない。開放型の中でも、かなり密閉度が低いヘッドホンで外の音がほぼ素通しで聞こえる。
他の人がしゃべっている声がガンガンに聞こえる。audio-technicaでは、音楽管理アプリに対する不満をメーカーの人にぶつけている人はいなかったけど、それでもちょっと試聴環境には不満が。
それでも比較的静かなときに聴いた範囲では良いヘッドホンなのはわかった。音は良いけど、試聴したCDが女性ボーカル系のCDで低音が少ない音だったので、低音がどう聞こえるのかも聴きたかった。
自分の住んでいる家が、広い道路に面していて、騒音は大きいところなので、ADX5000は購入対象にはならないかな。

CHORD

HUGO2を聴いた。でも良さがわからなかった。メディアのレビューなんかでは絶賛されることも多いので期待していたのだけど、ちょっと肩透かしだった。
ただ、これがHUGO2が良くないから、良さがわからなかったとは言えないのがオーディオの難しいところ。
持ち込んだ音源が、320kbpsのmp3だったからいまいちだったのかも知れないし、イヤホンがXBA-N3程度ではHUGO2の良さを引き出せないのかもしれない。
聴いた音源がいまいち合わないジャンルのものだったのかもしれない。この1回の試聴だけでHUGO2そのものがいまいちと判断するつもりはないけど、この日に聴いた限りでは30万出してすぐに買うことはないかな。

MQA Limited

MQA音源聴いた。同じ曲で普通の44.1kbpsのCD音源と、MQAの音源が交互に入っているCDを試聴することができるもので、比較しやすいのはありがたかった。
聴いた限り、音の違いはすぐにわかる。MQAの方が良い。最近、配信サイトも増えてきたらしいので、今後買うときはMQAを買うのが良いかも。
でも、他のハイレゾ音源と違いがあるのかはこの比較だとわからないので、配信サイトで同じ音源のDSD版とMQA版と買って比較する必要があるかも。

技術的にも、人間は周波数方向の分解能よりも、時間方向の分解能の方が高いというのは確かにありうることで、そういう方向のアプローチはあってもよいと思う。
たしか、CHORDがFPGAを使う理由もより高性能のフィルターを使って時間方向の精度を上げるためと書いてあったので、似たアプローチなんだと思う。
そうなると、回路的にはより高精度のクロック、位相雑音の少ないクロックが必要になるはずで、クロックの違いがCDやFLACDSDではわかりにくいけど、MQAだとわかりやすいということがあるのかも。
ちょっと、技術的な興味はある。

SONY

ソニー製品を試聴するならソニーストアに行けばいいと思う。そんなにうるさくないし。






読み返してみたら、まったく持って客観的な感想ではないし、買う/買わないしか言ってなくて人の役に立つレビューにはなっていないけど、
そういうのはAV WATCHとかPhilewebとかに任せて、一般消費者は好きとか嫌いとか最初に言い出すのが良いのではないかと思います。